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ラジオからサザンの「鎌倉物語」が流れ出し、

仕事をしながら、呼吸のように口ずさむ

 

サザンの曲の中でもかなり好きな曲だ

 

空の青さに 涙がこみあげる

こらえきれず 腕をからめ

少女の頃に 彼と出会ってたら

泣き顔さえ 真夏の夢

 

母の実家が湘南にある、ということもあってか

物心つく前から、サザンの音楽はいつもそばにあった

 

肌を焼く日差し、夜中の高速道路、砂浜で父が掘った落とし穴

祖母の手作りちゃんぽん、中華街の肉まん…

そうした情景と一緒に、いつもあった

 

今も、歌詞の意味を考える前に

音が口からこぼれ出る

 

夏になるとラジオでサザンの曲を聴く機会は多い

そのたび、あの街で過ごした夏を思い出す

 

あの街で、しばらく暮らしてみたい

ここ数年ずっと持っている、ちいさな夢とともに