しばらく、雨(時には雪)が降る日が続き、

うきうきと衣替えした冬服を、もう一度出したりしていた

 

3月のあたたかさからすると、

今年は例年よりも、ずっと早く桜が咲くのかしらと

思っていたけれど

 

意外といつも通りのころに、咲きそうだ

 

まるで 日程調整をしているかのよう!

 

そんな寒い日々もついに終わったようで

住む街では、桜が1輪開花したというニュース

 

あぁ、春が、きた

 

この土地の春は美しい、

 

冬が寒ければ寒いほど 春の美しさが引き立つから

そんな風に思えるようになったのはいつからだろう


桜の花を愛でながらも

山へ行けば雪の壁が見れる

 

ふたつの季節を抱きしめられる、幸せよ

 

 花はまだかしら、まだかしら、と

そわそわするこの時期に

毎年必ず思い出すこの歌

 


〝世に桜のなかりせば

春の心はのどけからまし〟

 


あぁこの世の中に桜さえなかったなら

春の心はもっとおだやかだったでしょうに…

 

まだかまだかと待ちわびて、

咲けば、雨が降らぬよう祈ったり、ハラハラと見守る

 

どれほど大切に思っていたって

一瞬で散りゆくのが、運命…。

 

そんな、

はかない花の一部始終に心をかたむける、

日本人の感性は美しいな、と思う