街すぎず、田舎すぎない

ここが好きだな、と思う

 

田舎の空気を残した街、

自然の多い街、

静かな空気の街、

さまざまな言葉でこの場所を表そうとしてみるけれど

なかなか、しっくりは来ない

 

誰かは、ほどよい街だと言っていた

 

 

仕事中、ふと窓を見やれば一面の黄金色

青い空とのコントラストが美しくて、一瞬、ぼうっとしてしまう

 

枝葉がざわざわと揺れていて、音まで聞こえてきそうだ、なんて思う

今日は風が強い日なのか

 

都内のオフィスビルにいたころ、窓の外は四角い箱がいっぱいで

天気はわかるけれど、外の気配はわからなかった

それが、当たり前だった

別にそれが不幸というわけではないし、困ることもなかった

 

 

何度か書いているような気がするけれど、

今の職場は、私のデスクからの視界すべてが窓

床から天井までの全面窓なので、開放感がすごい

 

その窓から見えるのは、四季そのもの

 

目の前が大きな公園なので、

春は桜、夏はあざやかな緑、秋は色とりどりの紅葉、冬は雪

まるで一枚の絵画のように

 

毎日いろんな表情を見せてくれる

空の色は季節によってこんなにも違うのだと

葉の色が刻一刻と変わってゆくさまを

毎日、毎瞬、当たり前のこととして見つめている

 

ふと、その美しさに目を奪われるとき

窓の向こうの、聞こえないはずのざわめきを感じるとき

 

あぁ、これは当たり前なんかじゃないのだなと

とても貴重で、ゆたかなことだ、と

何度でも、あらためて思う

 

どんなところでも強く生きてゆこうと思っているけれど

この窓から見る、抜けるような空の青さや、昨日よりも色づいた紅葉に

心癒されているのはたしかなのだった

 

 

遠くを見るのもいい

夢をはばたかせるのもいい

 

だけど目の前の幸せ、目の前の当たり前を、ちゃんと大事にする

 

忘れないでいよう

今は当たり前のことでも、数年前の私は持っていなかったものなんだよ