街すぎず、田舎すぎない
ここが好きだな、と思う
田舎の空気を残した街、
自然の多い街、
静かな空気の街、
さまざまな言葉でこの場所を表そうとしてみるけれど
なかなか、しっくりは来ない
誰かは、ほどよい街だと言っていた
♢
仕事中、ふと窓を見やれば一面の黄金色
青い空とのコントラストが美しくて、一瞬、ぼうっとしてしまう
枝葉がざわざわと揺れていて、音まで聞こえてきそうだ、なんて思う
今日は風が強い日なのか
都内のオフィスビルにいたころ、窓の外は四角い箱がいっぱいで
天気はわかるけれど、外の気配はわからなかった
それが、当たり前だった
別にそれが不幸というわけではないし、困ることもなかった
♢
何度か書いているような気がするけれど、
今の職場は、私のデスクからの視界すべてが窓
床から天井までの全面窓なので、開放感がすごい
その窓から見えるのは、四季そのもの
目の前が大きな公園なので、
春は桜、夏はあざやかな緑、秋は色とりどりの紅葉、冬は雪
まるで一枚の絵画のように
毎日いろんな表情を見せてくれる
空の色は季節によってこんなにも違うのだと
葉の色が刻一刻と変わってゆくさまを
毎日、毎瞬、当たり前のこととして見つめている
ふと、その美しさに目を奪われるとき
窓の向こうの、聞こえないはずのざわめきを感じるとき
あぁ、これは当たり前なんかじゃないのだなと
とても貴重で、ゆたかなことだ、と
何度でも、あらためて思う
どんなところでも強く生きてゆこうと思っているけれど
この窓から見る、抜けるような空の青さや、昨日よりも色づいた紅葉に
心癒されているのはたしかなのだった
♢
遠くを見るのもいい
夢をはばたかせるのもいい
だけど目の前の幸せ、目の前の当たり前を、ちゃんと大事にする
忘れないでいよう
今は当たり前のことでも、数年前の私は持っていなかったものなんだよ