定期通院の日

2、3時間は平気でかかる病院なので、忘れずに本を持っていく

今日は読みかけの『警視庁情報官 シークレット・オフィサー』を

 

警視庁情報官 シークレット・オフィサー (講談社文庫)
 

 

病院内は感染症対策のために窓が開け放たれていて

やさしい風が、ひっきりなしに抜けていた

さわやかな秋の風

 

たっぷり3時間の病院のあと、

凝り固まった身体を伸ばしながら薬を受け取った

 

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屋内にいるのを勿体なく思うくらいに気持ちのいいお天気だったので、

一度帰宅したあと、本、タンブラー、財布、スマホだけをバッグに入れて、また家を出た

 

せっかくだし、と

先日観た映画『影裏』のロケ地をめぐってみる

 

ロケ地といっても、ほとんどが近所なので、ものめずらしさはないけれど

いつも見ているものほど、身近なものほど、じっと見つめる機会は少ないように思うから

改めて、ゆっくりと目を向けられる機会になって、よかったな

 

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川のそばのベンチに腰を下ろして、小説『影裏』をひらく

ひんやりした秋風が吹いて、何時間でも座っていたくなる心地よさだった

 

ざあざあと雨のような川の音、子供のはしゃぐ声、川辺をぽてぽて歩く鴨の姿

眠たくなるような、穏やかな瞬間

 

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本を読み終えるころには、日が傾きかけていて、腕は冷たくなっていた

伸びをして立ち上がる

 

水音を聞いていたくて、遠回りとわかっていながら川沿いをしばらく歩いた

1/fゆらぎ、という言葉をぼんやりと考えたりしながら

 

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帰りつくころには、あたりは真っ暗で、家族から安否確認の電話がかかってきた(ごめん)

日没が早くなったねえ

きっと、一瞬で冬がやってくるよ