『影裏』を読んで、映画を観て、思い出した曲がある
米津玄師(ここではハチ、とするのが正解かな?)の「ドーナツホール」
ドーナツの穴みたいにさ 穴を穴だけ切り取れないように
あなたが本当にあること 決して証明できはしないんだな
人の存在を証明するものって、なんだろう
自分から見た側面が〝表〟もしくは〝裏〟であることを、証明してくれるものってなんだろう
いま見ているものが真実だなんて、どうしたらわかるのだろう
そんなことを、考えていたら
フッと脳裏によぎったのが、このフレーズだった
人が自分に見せてくれるもの
それがすべてとは限らない
どんな形をしているかも、そのどの部分を見ているのかも
わかることはない、のだと思う
自分でさえ、自分のことを完璧に理解しているとは言い難いのだし
たしかなもの、なんて無いのだなあ
そんななかに、もしなにか
確かなものがあるとするなら
それは多分
この胸に空いた穴が今
あなたを確かめるただ一つの証明
それでも僕は虚しくて
心が千切れそうだ どうしようもないまんま
劇中で、書類を握りしめて泣いた今野の心を、思う