君は植物が好きだね、という言葉が、ゆっくりゆっくり落ちてくる
そうかな…?そうか…そうかもしれない。
どこどこのあれを見たい、ってまだ思えないもん、
おれからしたら君はマイスターだよ、と言う彼に
だって毎年同じ場所に行っても、毎年違うんだよ、と返す
そういうものですか、と彼は言い
そういうものです、とわたしは言う
その違いの原因を考えるのも、楽しみのひとつなのです
金色にきらめく落ち葉がたえず降ってくる光景を、ずっと忘れられずにいる
写真でも動画でもとらえきれなくて、
こういう一瞬を切り取りたくて撮っているはずなのに、と悔しく思った
だけど同時に、
こういう、切り取れない一瞬のために自然のなかに来ているのだ、とも思った
5分も経てばもう、その景色は消えてしまう
肉眼でしか味わえない、至高のひとくち
映画のように美しいあの瞬間にいつかまた出会いたくて、
そういう瞬間を何回でも味わいたくて、
こうして飽きもせず自然のなかに行っているのかも
人の力では遠く及ばないもの
どうしようもないもの
その時、その場所、その一瞬でなければ、出会えない光景
この秋はどんな景色に出会えるだろう
きらめく景色をすこしでも一緒に見られたらと、想う