ついにキリキリと冷えてきて、最低気温は4℃
そろそろ限界かも、とヒーターの試運転をした
リビングでは薪ストーブがしっかり燃えていて、身体の芯を溶かすような、じんわりとした温かさがある
肌が乾燥することもないし
薪ストーブはやさしい、お風呂みたいに
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金木犀のお香をたいて、部屋のなかを秋にする
関東の小学校に通っていたころは、裏庭に植わっている金木犀が香るのを楽しみにしていた
落ちた花をてのひらに拾い集めて、夕焼けの色だ、と思っていた
このあたりでは、あまり金木犀は見ない
生息しない、というわけではないようだけれど、身近な植物ではなく、
少なくとも普通に生活していて香ることはない(ように思う)
だからなのかこうして、お香や香水でもいいから、と金木犀の秋を味わいたくなる
やっぱり本物の花のようには香らないとわかっているけれど
(本物のようなみずみずしい香りのものをご存じでしたら、ぜひ教えてください)
金木犀だけじゃなく、大きなクルミの木から実をもいだり、栗を割ったり…
あの小学校には秋の記憶がたくさん、ある
こちらに転校してきてからは、そういうことを一切やらなくなってしまったので
(休み時間にはがっつりスポーツをする、という空気があって…)
より一層、色んな秋を拾い集めていた時代を懐かしく思う
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今日はずいぶん前から少しずつすすめていた『星に仄めかされて』を読み終えたり
母の買い物に付き合ったり、コーヒー豆を買いに行ったり、部屋に生けるお花を選んだりした
オンシジウムと、トルコキキョウと、カスミソウ
ふわふわと優しい、幸福のかたまり、みたいな束になった
オンシジウム、と口に出すと、祖母がすぐに「それは洋蘭の一種よ」と知識を添えてくれる
花をたくさん育ててきた祖母らしいな、と頬が緩んだ
蘭が好きだったのは、祖母ではなく祖父だと知ったのは、つい最近のこと
祖父の写真の前にも、豊かに咲くオンシジウムを
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長い一週間が始まろうとしている
駆け足で去ってゆく秋を、惜しみながらも
ひとまずゆるんだ身体を引き締めて、がんばりますか